旭川紀行2013

旭川へ行こうと思ったのはHISのツアーで格安なものを見つけたからだった。
ツアーと言っても飛行機往復とホテルの予約だけで
それ以外は全て自分で計画しなければならない。

兎に角前もって下調べをしたわけではないので、出発前夜に観光スポットと夕食の2点だけ調べてみた。
ところが観光スポットとして旭山動物園を調べたら開演時間10:30閉園15:30とのこと。
空港から旭山動物園までの直通バスは10時発しかない。
それ以外だと一旦JR旭川駅前でバスに乗り換えて行くしかない。
旭川到着が12:10予定なので空港で昼食を摂ったら
旭川駅前乗り換えのバスで行くと到着が15時前になる。
色々調べたが、結論としてはタクシーで行くしかなく
しかも4000円はかかると書いているページが殆どだった。

平成25年11月23日土曜日

いつものように8:20発の東京シャトルに乗って成田空港へ。
このバスは15分遅れで空港に到着。
スカイマークのチェックイン自販機でチケットを手に入れようとしたが
それに必要な予約番号とQRコードが書かれた確認書がなく
直接チェックインカウンターで身分証明書(運転免許)を提示してなんとかチケットを受け取れた。
どうやらHISのメールが迷惑メールに行っているらしく確認書が手に入らなかったみたいだ。

定刻通り10:25に成田発SKY863便はテイクオフした。
朝飯を摂っていなかったので機内でコーンポタージュ100円を注文。
いつも思うことだけど天気に関係なく
雲のじゅうたんの上を飛んでいる機内からの眺めは気持ちがいい。



上空からの上川盆地は意外と田園風景が殆どで、
その中心に旭川市の町並みが表れる。



旭川空港には定刻通り12:10に到着。
気温は4度で、天気は曇り時々雨だった。
空港到着後、昼食を摂るため空港内の店を散策。
流石空港内だけあって値段は高め。
ここは夕食の事も考えてグルメにならず旭風ラーメンでミルクラーメン950円を注文。



テーブルにはコショウと一味が置いてあり、一味をかけて食した。
腹が減っていたせいもあるが以外に美味。
その後空港内のパンフレットを集めていたら13時をまわっていた。

いざ旭山動物園へと向かおうとしたが
再度、空港の総合案内所で確認したところ小型タクシーがいいとの事。
小型タクシーはボディが黒の車で、それ以外の普通車だと4,000円は超えるらしいとの事だった。
タクシーの運転手から美味しい物を聴いてみると
らーめんと蕎麦はいけるが、うどんはダメ、との事。
ここが美味しいと紹介しても人によって違う、との事。
飛行機上空から田んぼらしき風景が意外だったと話したら
上川盆地では昔から米作りはあった、との事。
しかも減反政策で空き地では小麦を植えているらしい。

空港から動物園までの料金は3,200円以下だった。
乗車時間は20分くらいで安心した。
14時前くらいに旭山動物園到着
入場料は大人800円、旭川市民だと500円。
子供だとそれぞれの半額である。
雨だったけど園内では傘を無料で貸してくれる。



園内に入ってすぐにわかったことは、
昼食は旭山動物園の中で食べたほうがいいという事。
一通りの軽食は揃っているし値段も安い。

 ペンギン  アザラシ  白熊
     
 レッサーパンダ  エゾシカ  キリン
     

特にペンギン、アザラシ、白熊のエリアは水面下からも地上からも見えるように工夫されている。
残念なのは雪が積もらないとペンギンの散歩が見られないとのことだった。

ペンギン、アザラシは感動ものだったけど、他の動物については、
やっぱり檻の中は可哀想に思ってしまう。
今度生まれ変わったら、やっぱり猫がいい。

園内を一通り散策したら丁度15時を回っていた。
天気はすっかり雲が遠のいていた。


入口ではカップルが写真を撮っていて、
二人揃った写真が欲しいと頼まれたので快く引き受けたら
その後に他のカップルが登場し、同じリクエストに応えることになってしまった。
こんなことでバスを逃すわけにはいかず、そそくさと園内を出てバス停へ。
15:30発旭川駅行きバスに乗車。運賃は570円。

到着後ホテルクレッセント旭川にてチェックイン。



403号室へ。


このホテルの欠点は部屋ごとの空調が調節出来ない事。
フロントに電話をかけてみたけど何も変わらない。
仕方なく暑いままだったから殆ど上半身裸で居るしかなかった。

いつものようにPC設定を行って調べ物をしていたら18時になったので
予約していた花まる亭へ。
ここへはホテルから徒歩2分とかからない距離。
入店後、座敷かカウンターかを聞かれたが、なんの迷いもなくカウンターを選んだ。

まずは地ビールを注文。
つき出しは米粉を使った豆腐だった。
これは意外と胡麻豆腐に近い風味と弾力で美味。

マスターに聴くと、旭川は4つの海から魚介類が入り、今でも強力な問屋があるとの事。
そして米は田植えの段階で2品種をブレンドしている農家と直接契約をしているとの事。
テレビのCMもある「ゆめぴりか」は白米だけだといいが、甘すぎて米粉には向かないらしい。



そして既に予約しておいた郷土料理のエゾコース登場。

 北海しま海老のお造り盛り合わせ  前菜 鮭のチャンチャン焼き花まる風
     
 茹でたての毛蟹  白いトウモロコシの天ぷら  ペロンタン汁
   
よくばり丼  かぼちゃのデザート  
     


 特別純米酒くーる  国士無双
 


これら全てで7,801円。
食べ終わる19時くらいにカウンターに馴染み客の夫婦が座られた。
お造りが出てきた時、奥さんが
「これは東京だと、ぶったまげるわね。」と言われたので
「はい。ぶったまげました。」と声をかけたところから今回の旅の嬉しいハプニングが始まった。
このお二人は株式会社熊谷商店の社長夫婦で店から10分くらいの所に住まわれている。
兎に角、明るい御夫婦と話が弾み、別に急ぐ用事もない事とホテルが近い事を言ったら
隣の席に座るよう勧められ、御薦め料理をご馳走になった。

毛蟹の鍋   シシャモ  富良野牛のステーキ
     

毛蟹の鍋は特性の煮こごりに漬けて食べる。
僕が「この足の付け根が面倒くさいけど、一番美味しいんですよね。」と言ったら
マスターはにこやかにうなづいてくれた。
シシャモは僕らが食べているロシアからの輸入品ではなく、道内の沿岸で採れたもので
子持ちししゃもではなくオスの肉厚なも。
シシャモの概念がガラリと変わる一品だった。
富良野牛ステーキは梨を調理した付け合せとマスターのオリジナルソースで
和食の店で食べられるとは思えないくらい美味だった。
そして料理と同じく薦められるがままに北海道の白ワインと日本酒 國稀を御呼ばれする事になった。

 國稀
 

話の内容は網走北見食品とか鮨菜和喜智とか御薦めの店など。
ご主人は2代目社長で、最初マスターからは坊ちゃん扱いされていたけど、
今や旭川を代表する企業の社長として認めてもらっているとの事。
ご主人が携帯をなくして、奥さんが探しに行った時に教えて頂いた北海道の方言ほっちゃれの事。
夫婦で旅行する時、宿泊は駅が近くて安い東横インにし、
寝るだけの場所を節約した分、飲食にお金をかけるとの事。
娘さんは南太平洋の島でツアコンやコンシェルジュをやっていて活躍されている事。
息子さんは早稲田大学卒業後、跡を継ぐのが嫌で日本生命入社したけど
今は新潟で後継として修業中だとの事。
後は、スキーだとここがいいという話とか、
8席のカウンターしかない予約制の寿司屋の話とかなどを教えていただき
23時閉店のはずが23時30分近くまで同席させていただいた。

いい時間になった頃、写真撮影をしようと言う事になり、



最後にメールアドレスと携帯電話番号を交換した。
そして奥さんが会計されている時に
ご主人からマスターが登場する漫画蒼太の包丁旭川編
マスターのサインをしてもらった単行本を頂いた。
後で読んでみて分かったけどマスターは
業界ではかなり名高い調理人だったのだ。

23:30ホテル着。
最上階の大浴場は既に閉まっているので、ユニットバスで汗を流し
ご主人から頂いた店で取り扱っているニンジンジュースを飲んで、
楽しい一夜に感謝をしながら眠りに就いた。

平成25年11月24日日曜日
快晴
7:30に朝食バイキングを摂るため1Fのレストランへ。
残念なことに部屋にスマホを忘れたので画像はない。
流石に食の宝庫・旭川だけあって牛乳とコーンポタージュなど予想を裏切らず十分堪能できた。

そしていつものように8:00からサンデーモーニングを観た後、10:00にチェックアウト。
途中見付けた青葉でお土産ラーメンを二つ購入。800円ちょっとだったかな。

バス停を確認後、JR旭川駅内を散策したが人影まばら。



その後、買物通りを散策したがこちらも人影まばら。


旭川鎮守の上川神社でお参りをした後、
あまり時間がなかったのでらーめん山頭火 旭川本店まで急ぎ

 上川神社 らーめん山頭火旭川本店 
   

とんこつ塩ラーメンを即注文。



肉厚なチャーシューが角煮のように入っておりクリーミーな味の汁。
麺は中太麺で噛みごたえがある。
辛味が欲しかったので一味を入れてみたらより一層食べやすくなった。
残念なのは朝食を食べすぎていたことと、寒くなかったこと。
これらがあったら確実に大満足だったはず。

山頭火を出てすぐのバス乗り場5番を見たらすごい行列。
要するに旭山動物園行きの乗り場なのだ。
空港までも同じ場所なので、一応行列の人に聴いてみたら旭山動物園行きだった。
これで街中が人影まばらなのがわかった。

11:40 旭川駅前5番乗り場よりリムジンバスで旭川空港へ。



空港到着後、癖になっているソフトクリームのバニラを買う。金額300円
やっぱり北海道だけあって濃いクリームで美味。

旭川空港13:15発SKY864便は定刻通り離陸した。
雲に紛れて雪をかぶった大雪山山系を見ながら、しばらくして眠りに就いた。



定刻通り15:00に成田着。

15:30東京シャトルに乗る。

渋滞中、首都高から久しぶりに夕陽を観た。


16:40東京八重洲口着。

再度行きたい旭川が大好きになった旅だった。

おしまい