熊本紀行2013(春)

2013/03/04 (月)
ロケみつを観ていて急に馬刺しが食いたくなって熊本へ行くことにした。
と言っても馬肉だけ食べるのなら東京の銀座熊本館にでも行けばいいのかもしれない。
でも馬刺しとなると本場にいかなければ。
と言うことで安上がりでいく一泊の熊本旅行のツアーを調べまくった。

すると【間際でも取れる!!羽田出発】スカイマークで行く!熊本スペシャル
飛行機代+宿泊だと3万円程。
と言うことで即予約。
その後アマゾンでるるぶロケみつ 西日本横断ブログ旅るるぶ熊本 阿蘇 天草'13を即購入。

後はどう観光するかということで
なごみ紀行という熊本県観光課が運営しているサイトでパンフレットを取り寄せた。
これが結構役に立ったのだけど、なんと無料送ってくれる。
これらの情報と食べログのコメントなどをくまなく読みまくった。

そして絞り込んだ観光キーワードは
・熊本城
・熊本ラーメン
・馬刺し料理
・日帰り温泉
・太平燕(タイピンイェン)
と言うことに。

320日水曜日
SKY201 羽田空港 07:40発 阿蘇くまもと空港 09:40着
熊本空港から市内まではリムジンバス670円で約40分。
僕は交通センター前で降りる。

熊本は2011年に新幹線が開通したと言うものの、JR駅前は街の中心地ではない。
これは学生時代に行った長崎の時もそうだったけど
要するに地元に住んでいるならばバスと路面電車で事足りる。
熊本の場合はもう一つ城下町であるということで、昔から発展してきたのが、繁華街のもととなっている。

さて交通センターでは路面電車の1日乗車券と次の日に行く日帰り温泉バス旅のチケットを受け取った後、
ちょうど12時前だったので小雨の中、昼食をとるため上通りアーケードを北上しこむらさき上通り中央店へ。
熊本ラーメンは簡単に言えば久留米発祥の豚骨ラーメンが南下して味付けに焦がしニンニクが入ったもの。
ここは熊本ラーメンの発祥店ということで王様ラーメン600円と餃子350円を注文。
スープは鶏ガラのせいか観た目以上にあっさり。麺は九州豚骨なら当然細麺となる。
結論としては可もなく不可もなく予想通りの味で、昼飯としては十分。

 

腹ごなしも終わり、今回一番の目的である日本三名城の熊本城へ。
建物は宇土櫓をのぞき明治の火事で天守閣も含め焼け落ちてしまった。
ボランティアガイドの方によると風向きが変わっていたら宇土櫓も炎上していたくらいの大火だったそうだ。

 

だから現在の天守閣は昭和期に復元したものとなる。
しかし小田原城のように復元するための写真もないような嘘の復元ではない。
武者返しも含め忠実に再現されているので圧巻である。
もともと隈本を熊本に改名したのは加藤清正
最初秀吉からは北部を清正、南部である宇土を小西行長に統治させていたらしいが
両者の仲が悪く、関ヶ原の合戦にて西軍についた行長が京都六条河原で斬首された後、肥後の国は清正の領地としてまとめられた。
元々、清正は秀吉と同じく尾張中村の出身で、行長は大名になる前は堺の商人であったから、このことは腑に落ちる。
尚、宇土櫓は行長の居城があった宇土より移築したものという説がある。
蘊蓄を書き出すときりがないので公式HPで確認してください。

 

櫓群を巡ったあとは本丸の休憩所で抹茶+和菓子300円を味わって寛ぐ。
抹茶は注文してから作ってくれるので口当たりもよく美味だった。
 
その後、近年復元された本丸御殿へ。
ここは加藤清正によって創建され、行政の場、生活空間として利用された。明治10年の西南戦争で焼失したままだった。
城マニアなら常識だけど、天守閣は殿様の住居ではない。
合戦があった場合の最後の砦であり平時は弾薬や合戦器具の倉庫となる。
唯一天守閣に住んだのは織田信長だけでそれも安土城のみである。
 
兎に角、圧巻は石垣である。
皮肉なことに、この石垣が乱世ならともかく加藤家改易の後引き継いだ細川家の殿様にとっては住みにくいということで
住居は城外に造って本丸には住まなかったそうだ。
確かにとてつもない要塞だ。


城を堪能した後、宿泊場所であるリバーサイドホテル熊本でチェックイン。
1泊朝食付きで、これはツアー料金に含まれている。
熊本一繁華街の下通り&新市街アーケードまで徒歩3分の好立地で、この後ここでよかったことがある。
 
歩き疲れたので部屋で一服した後、市電に乗り
今晩予約しておいた店の確認も含めて下通りアーケード周辺を散策。
市電の中では女子高生が熊本弁で会話している。
こういうのを聞くと遠方へ旅をしていることが実感できる。

西日本一を誇るアーケードはどでかい規模だったものの
天気のせいもあってか脇道にそれると少々閑散としている。


馬肉料理の店桜庵はアーケードから二筋離れたところにあり
えらい寂れたところにある印象だったけど
入ってみるとまるで京都の料亭のような趣で居心地がいい。
ちなみに熊本では馬肉のことを霜降やピンク色をしていることから桜と言う。
 


とりあえず、ぐるなびのクーポンで酎ハイを1杯だけ注文。
早速、予約しておいた馬刺しと馬刺し握りの登場。
 

これがまた上品な味で魚で言えば大トロのような食感。
こうなるとやっぱり日本酒ということで、おすすめを聞いてみたら辛口好みなら船中八策がいいとのこと。
名前からして完全に高知の酒だけど、これは大正解。
途中で同じ辛口の一ノ蔵と飲み比べてみたけど全然、船中八策のほうがキレがよく美味だった。

最初カウンター席は僕と女性客だけだったけど途中で女性客の相方の男の人が現れて
聞き流せない会話が始まった。
なんと女性客はライブ出演の帰りで相方の男性客はそれをプロディースしたらしい。
普段人見知りの僕ではあるが、酒の勢いも借りて会話に加わった。
僕が東京から来ていることを知ると、どのあたりを観光するのかとか聞かれたので
熊本城の話や次の日に行く黒川温泉界隈のことを言ったら、合格点をいただいた。
そうこうしているうちにラストオーダー23時になったので冷やとモツ煮を頂いて店を後にした。

 

桜庵を出た後、四辻のはす向かいにある天外天で行列に並んだ。
この店は夜間しか営業していない熊本ラーメンのカウンターだけの店である。
並んでいる人と話をしていると、東京からきているとのこと。
兎に角オーソドックスにラーメン@650を注文。
ニンニクパウダーがぶわぁ~と一面に広がってインパクト大。
そのインパクトからイメージしたスープと違い飲みやすく美味い。
チャーシューもさりげなく美味い。
飲んだあとにぴったりだった。
 

既にバスも路面電車もなくなってしまっていたので歩いて帰ろうかと思ったが
流石に次の日が朝早いのでタクシーにて宿へ到着。
ちょっと飲み過ぎたせいかラーメンの食い過ぎか、胃もたれを起こし、もどしてしまったけど
良い一夜になった。

321日木曜日

朝食は1階のレストランで和洋を選べるビュッフェ。
※どうでもいいことだけどバイキングは和製英語でビュッフェが正解。
流石に前夜の胃もたれが続いていてオレンジジュースとパン以外は入らず早々にチェックアウトをした。

さて、二日目は日帰り温泉バス旅である。
ホテルから交通センターまでは歩いて5分くらい。
このツアー、平日だったこともあってか客は僕一人である。
ツアーと言っても添乗員が付くわけではなく、通常の路線バスに乗り、ポイントごとにチケットを渡す方式の完全セルフ旅である。


ツアー概要は

熊本市内から約3時間で九州を代表する秘湯「小田温泉」。
その隠れ宿「四季の里はなむら」の個室で味わう懐石膳と大浴場の露天風呂、洞窟風呂を堪能。
黒川温泉の観光あり。
熊本市内から黒川温泉までは九州横断バスを利用。途中、バスの車窓から雄大な阿蘇の山々、
また阿蘇の代表的な草千里ヶ浜を眺望。

というもの。
この行程をすべて含んで5900円は安い。

昨日とは打って変わっての晴天。
阿蘇は霧になることが多く今回の風景はラッキー。


黒川温泉に到着した後は小田温泉のはなむらの送迎車にて移動する。







小田温泉は黒川温泉から車で5分ほど。
この温泉はもともとただの山村しかなかったところ。
1975年に中村忠氏という人が夢のお告げでボーリングしてみたら温泉が見つかったため夢乃湯と言う民宿を作ったのが始まり。
はなむらはその別館として建てられたもの。
露天風呂も貸し切り状態で、東京の喧噪からすると同じ国とは思えないほど長閑な場所だ。
※ちなみに、はなむらではWi Fiが繋がる。
このツアー事前に確認しておいた体験記通り、かなりお得である。

黒川温泉まで送ってもらい、散策をしたのだけど、これは時間的にも中途半端で無用かも。
1時間ほど散策で歩いたけど、宿泊しないのなら立ち寄るほどの見所はない。
下の写真は黒川温泉のバス停
 

15:20のバスに乗り込み、来た道を帰っていく。
僕以外には乗客は4人。
そのうちの二人はハングルで会話してた。
バスの案内放送も英語・中国語・ハングルが必ず入っている。
九州は韓国からだと安上がりだし、中国からも格安航空があるからだろう。

僕は飛行機の時間があるので17時くらいに阿蘇くまもと空港で下車。
暫く空港内で土産物を物色したりしていたら、達成していないキーワードが思いついた。
それは熊本発祥の中華料理 太平燕(タイピンイェン)
ということで空港内のレストランで海鮮太平燕900円をしっかりいただきました。
まー太平燕とは塩ラーメンの麺をマロニーちゃんにしたようなもと思ってもらえればいい。

SKY208 阿蘇くまもと空港 19:50発 羽田空港 21:20着
飛行機の窓から見える熊本市街の夜景は美しく、名残惜しくもあった。

一つだけ残念なことは...くまモンに会えなかったー!
って言うか、この時はくまモンなんか興味なかったし。

ということで先日イトーヨーカドーで熊本県 森のくまさん 5kg 平成24年産を買ってきた。
だって米の全国食味ランキングで熊本の森のくまさんが日本一になったんだモン。


おしまい