山口旅行2015
2015年3月11日水曜日
まず、叔父叔母に旅行の候補日を確認。
日程が決まった段階で母のリクエストにより山口県湯田温泉の宿「西の雅 常盤」をネットにて予約。
これは旅行代理店は通さず、直接ネットでセールを利用したため、一人1泊2食16,000円のプランを10,000円にて確保。
かつて母と故・父は旅行好きで、日本国中殆どの観光地に訪れているから、実は母が希望した今回の候補地も母にとっては既に訪問している場所ばかりである。
しかし、旅行会社が提案するツアーだったので、ここはもう一度行っても、それ以上に堪能出来る自信があったので、徹底的に調べ上げた。
まず第一候補地は、現在、NHK大河ドラマ「花燃ゆ」の舞台となっている山口県萩市と、金子みずすの生涯をすごした場所山口県仙崎である。
この訪問地についての予備知識として、僕と母は大河ドラマを全て観ているし、金子みずすの詩集は全巻読破している。
しかし叔父叔母は大河ドラマは観たことがないし、金子みずすは民放2時間ドラマを観ただけで名前だけした知らないとの事。
なので主軸は温泉に多くの時間を費やすこととし、行ったことはないものの、萩については僕がすべての訪問地のガイドができるので
残すところの金子みずすについて、選りすぐりの詩集だけを載せた絵本を叔母に渡して読んでもらっていた。
後は初日の朝食をどうするかであるが、東京に住んでいる時、ロケみつという番組の西日本縦断ブログ旅を全編観ていたので
岡山県蒜山高原にある食堂「かめっち」の「たまごかけごはん」を最初の訪問地としてリストアップ。
そのため行きは中国自動車道を使う事にした。
次に萩の訪問について、考えられる散策のモデルケースをシュミレーション。
兎に角、兵庫県明石市から山口県は1泊の旅だと、かなりの柔軟性を考慮しないと、高齢者にはきついことは明らかなので
萩市観光協会公式サイトや、他のネット上での口コミサイトを調べ上げ、散策時間30分~2時間の幅をもってリストアップした。
二日目については山口県仙崎にある金子みすゞ記念館(開館時間9:00~16:30)だけ必須訪問地とし
仙崎界隈を案内してもらえる無料のボランティアガイド(0837-26-5155)を13:00よりということで予約。
後、母の希望でNHK朝ドラ「マッサン」の故郷となった広島県竹原もリクエストされたので、二日目の夕食としての候補店舗をリストアップした。
しかし、日程としてはかなり厳しいので、時間に余裕があればと判断し、別の選択肢として、2014年1月11日にぶらり旅をした広島・松山での候補を念頭に於いて
その後、高齢者の旅なので無理がないようGoogleマップと天気予報サイトを組み合わせて、希望訪問地にかかる車でのシュミレーションをサービスエリアも含め徹底的に行った。
この後、車に搭載するカーナビの設置補修と使用方法を確認し、訪問地の電話番号をスマホに登録
最後、持参するスマホのWi-Fi電波エリアを確認して旅の準備を終えた。
2015年3月17日火曜日
6:30自宅を出発。叔父叔母の家を出発したのが7:00。
先ずは「食堂かめっち」の電話番号をカーナビに入力しガソリンを満タンにした後、旅に出発。
予想所要時間は1時間56分なので9:00には到着する予定であった。
しかし、中国自動車道でのトイレ休憩や高原までの一般道を制限速度で行ったため目的地に到着したのが9:40
しかし役場の駐車場だったので、電話をかけてみると職員の人が来てくれて、ここから車で500mほど移動したところであることが判明。
朝食を摂れたのは10:00となった。
注文するものは、あらかじめプリントアウトしておいたので、車中にて説明しており
食券販売機にて「黄福定食(350円)」に決めていた。
食材は全て地産地消で、イセ食品の卵、棚田のお米で炊いたご飯御代わりし放題。
それと薬味として特性海苔、ねぎ、しそをお好みでかけてかきこむのである。
想像以上の美味。
僕と叔父は二杯目を即注文した。
母は糖尿病なので炭水化物を多量に食せない。
なので、車中で別途朝食を食べており、食堂では母のごはんを半分僕が引き受ける。
芸能人大好きな叔父叔母は店を出た後、入口に貼ってある写真を15分くらいかけて全て観ていた。
こういった満足そうな顔を観ていると、連れてきてよかったと思う。
「かめっち」から萩の松陰神社0838-22-4643へは 中国自動車道351km、Googleマップでの想定時間は4時間56分なので
途中のサービスエリアでトイレ休憩や昼食をとりながら進むため到着予想時間は16:30である。
ただ天候は快晴の上、春休み前の平日と言う事もあり、道路は貸し切り状態だった。
また中国自動車はほとんどトンネルがないので日中を走る分には最高の風景だった。
途中、中国自動車道を降りて萩への無料自動車専用道路に乗るのであるが
これがビックリするほど豪華で綺麗な道路である。
ぶっちゃけ今の首相の選挙区であるのだから、土建国家としてはなんら不思議ではない。
ただ、こんな過疎地に道だけ作るなら、もっと国費の使いようがあるだろうと思うのが自然だと思った。
移設した松下村塾を含む松陰神社へ着いたのはドンピシャの16:30。
流石に日が長くなったので、ゆるりと見学。
ここから僕が日本の大転換が始まった事を説明し、みんなの感想では生で観る史跡は臨場感が違うみたいだった。
売店では山口県を代表する地酒「獺祭」2,650円が売っていたので、迷わず購入。
叔母は1,000円で袋いっぱいの「伊代かん」を買い込んだ。
この日は時間があれば、他の施設も廻ろうかと思っていたが湯田温泉までは44.9 km、想定所要時間が59 分であるため
宿泊地である湯田温泉「西の雅 常盤」083-922-0091へと向かう。
湯田温泉は山奥の瀟洒な温泉街と思いきや、まったく想像とは違った。
と言うのも、県庁所在地である山口市市街地のすぐ横に隣接しているからである。
18:00に到着した時は興ざめしたが、5階の部屋に入ってみると、けっこういい眺めである。
さすが西の小京都である。
食事は19:30に頼んでいたが、母と叔母の意見で、風呂は僕と叔父だけが入り、湯上り後に食せるよう、19:00に変更した。
メニューはふぐずくしの懐石料理。
写真は撮らなかったが、まずまずであった。
実は母と叔母が急いだのは20:30から始まる女将劇場を観たかったからである。
客席には半分が韓国と中国からの中高年女性の観光客であることがすぐに解る。
70歳になる女将の熱演であったが、周りを取り巻く若い従業員の表情が完全に死んでいた。
また休憩なしの80分近い演出は女将が頑張れば頑張るほど興ざめする。
実際1時間も経たずに客席は半分になっていた。
きつい言い方をすれば、観る価値は全くなかったのだ。
僕の見た目では若い連中の育て方を完全に誤解している。
いくら踊りが上手くても、表情が死んでいたら、観る側としては楽しめないのだ。
最低限指導できるとするならば、「口のこうかく」を上げることさえ指導すれば、いくら惰性でやっていても表情が豊かになるくらいは気づくべきである。
このことについては母に耳打ちしながら観てもらったので、僕の観察と同じ印象だったようだ。
むしろこのせいで、観劇後の女性風呂がごった返してゆっくり風呂にも入れなかったようだ。
この日に就寝したのは午前0時。
流石に僕は軽四輪での長距離運転だったので爆睡である。
2015年3月18日水曜日
朝食は8:00。内容はビュッフェスタイルではなく和風ホテルらしい和風懐石である。
チェックアウトは10:00だったのでゆっくりしたいかと思いきや、
みんな早く宿を出たかったらしく9:00にチェックアウトし、ロビーでモーニングコーヒーを一服した後、
雨の降る中、行けないと思っていた大河ドラマ館へと向かった。
これが嬉しい誤算だった。この展示場は2015年1月11日~2016年1月10日までの特設会場であるのだが、展示内容がハンパなく充実している。
最初僕が展示物の解説をしていたのであるが、歩き進めていると、松下村塾のレプリカや俳優のメイキングビデオなど、説明など一切なくても楽しめるバラエティにとんだ内容だったのだ。
叔母は今から観ても間に合うのかと聴いてきたので、ここでの情報を知っていれば大丈夫と答えた。
ちなみに、記念撮影は無料で行ってくれるが、出口で渡される写真は名刺よりも小さいサイズで、大きい写真は1,200円で購入することになる。
これは以前、沖縄美ら海水族館で経験済みなので、「この商売上手!」とスタッフに声をかけて記念として購入した。
この後、雨の降りやまない中、仙崎を向かったのが11:00過ぎ。
萩から仙崎へは30分もかからないので金子みすゞ記念館の駐車場を確認した後、
12:00にきらく(喜楽)と言う海鮮調理屋へ入った。
注文したのは980円の日替り定食であるが、これが大当たり!
前日からの食事の中では一番の美味でみんな大満足だった。
12:50に店を出て記念館の駐車場へ移動。
記念館の受付でボランティアガイド予約をしていることを告げて、13:10から金子みずすの生い立ちを含めた解説をしてもらいながら仙崎の町を案内してもらった。
ガイドの金谷さんは母より1歳年上の79歳であるが、矍鑠(かくしゃく)とされていて、解説が素晴らしい。
また、点在する史跡や展示場はガイドなしでは入れない感動ものの内容で、僕が説明に出てくる年号と地名から、全て合いの手をいれていたので
金谷さんもいつも以上に隠れ家的施設の案内やエピソードを話してくれた。
兎に角、仙崎は母と叔父の実家がある兵庫県山崎町と街並みが似ているのだ。
違いと言えば、山崎町が山の中であることである。
仙崎は奈良時代に吉備真備が大陸へ移動の泊りとしていた頃から高度成長期まで続いたクジラ漁に至るまで日本海屈指の港町として栄えていた事、
それに豊かな自然と風土の中で童謡詩の巨星・金子みずすが誕生した理由が腑に落ちたのである。
しかし今では人口4000人まで減ってしまい、ほとんどが空き家と高齢者の住む町になってしまった悲哀が
この国の地方の代表のようで寂しくもなった。
1時間半に及ぶ散策の内容は書ききれないが、直接赴かないと意味がないので割愛する。
ただこの散策で一番喜んだのは、前回と全く違う情報量で金子みずすを知ることが出来た母であった。
記念館では2回目なのに展示資料をくまなく読んでいたのだ。
それと不思議な事は今回の旅の二日目全般に言えることだが、外を歩く時間帯は見事な程に雨が止んでいた事である。
記念館を後にしたのは15:30を過ぎていた。
この時点で悪天候もあり、広島県竹原は却下。
そのかわり、広島市内にある僕のお勧めのお好み焼き屋「鉄板焼き・侍(samurai)」に目的地を変更。
駐車場から18:00の予約を入れて山口県を後にした。
店に到着したのは予定通り18:00。
ここは僕の独断で、メニューを見るまでもなく、広島風お好み焼き・しょぶり肉・上スペシャル1,200円を4つ注文。
出し方は皿ではなく鉄板を選択。
また19:00までに入ったのでワンドリンクは全て無料である。
ここのお勧めは何といっても広島でしか味わえないカープソース!
これにはみんな驚いて、買って帰りたいと母と叔母が言ったので、店長にも聴いてみたが
どうも業務用しか売っている店がわからなかった。
母は料理に満足して、いつもなら飲まない2杯目の麦焼酎ロックを注文。
それとオムチーズ580円とお好み焼き・しょぶり肉・上1,000円を追加。
その後既に夜であったが、歩いてすぐの平和記念公園へと案内した後、原爆ドームが見える橋まで歩いてみたが、
改装工事中で、ライトアップされた原爆ドームの迫力を見せられなかったのが残念だった。
ガソリンを満タンにした後20:00には山陽自動車道に上がり、帰路へと向かう。
到着予定時間は休憩時間を考慮して午前1時前なので、「いつでも寝てくれ」と言ったが、結果的に旅の感想の話が止まらず
叔父叔母の家へ着くまで、みんな起きっぱなしだった。
実家へ着いたのは午前1:30。
母がどうしても風呂に入りたいらしく、就寝したのは午前3時前だった。
いずれにしても、育ててもらったこれらの人に、どれだけいい思い出を作れるだろうと思いながら眠りについた。
おしまい。
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