9月1日水曜日

この日は午前中嬉しいことがあった。

龍人を幼稚園に通わせる日だった。慧ちゃんは朝から心配気味だった。と言うのも、以前にも龍人を幼稚園へ連れて行ったことがあったのだか、慧ちゃんが帰ろうとすると龍人は泣き止まず、なくなくつれて帰ったことがあったからだ。

しかしこの日は違った。先生も良い方らしく龍人は慧ちゃんなしに幼稚園で過ごせたのだ。

このことで慧ちゃんは「チョー嬉しいよ」と言って微笑んでいた。

昼食時にもそのことを荒川さんに楽しげに話している様子を見て、何故だか僕も嬉しくなって、本当に良い時に来たなと思った。

 

午後からは慧ちゃんと龍人と3人で州都であるザンクトガレン(St.Gallen)に電車で出かけた。街を歩いていると、ザンクトガレンとブックスとはまた趣きが違い、都会に来たなという感じがした。といっても日本の都会の様にゴミゴミしていない。本当に美しい街並みなのだ。最初に訪れたのはザンクトガレン大聖堂。


ザンクトガレン大聖堂内



この建物は世界遺産に指定されているらしく聖堂内の内装はそれにふさわしい厳かなものだった。聖堂内の長椅子に座っているとパイプオルガンが響き始めた。初めて聴く生パイプオルガンだった。演奏は5分くらいで終わったがその響きは聖堂内にふさわしくコンサートなみの迫力だったので拍手が沸きあがった。

その後、大聖堂に隣接する有料の図書室に入った。しかし、これは失敗だったかもしれない。本棚は金網で覆われていて取り出すことはできない。それにドイツ語なのでどんな価値のあるものかもわからないのだ。

聖堂内での龍人 聖堂内での龍人と僕(バックにいるのが若い僧らしい)

大聖堂を出た後、荒川家で以前来て美味しかったというカフェで休憩を取った。

龍人は初めての幼稚園のこともあってか疲れたらしく乳母車ですっかり眠っていた。

少し暗めの照明で落ち着いた店だったが、なによりも驚いたことは全てのウェイトレスが綺麗過ぎるじゃあーりませんか!

今更ながら残念なのは写真を撮り忘れたこと。できれば一緒に・・・。

(「荒川さん次にあのカフェに行くことがあったら写真送って!!」)

まーそんなこともあって慧ちゃんにも「やっぱり原さんも男よね」と言われてしまった。(^ ^;)

そんなこんなでザンクトガレンを堪能した後、僕等は電車に乗りブックスへと夕刻に戻った。

駅から荒川宅へは循環バスで帰り、バス停から歩いている時に、ちょうど荒川さんが外で待っていてくれた。

夕食はオーストリアのフェルトキルヒという町の古城レストランに行くプランが用意されており荒川家全員と一緒に車で出かけた。まさしく本物の城をレストランにした店で、日本で言うトンカツのようなもの(正確にはビエナシュニッツェル)がメインの料理だった。でも味はちょっといまいちだった。(連れて行ってもらっているのにすみません。)

レストランを出た後、荒川さんは山の上へと車を走らせて行った。

着いてみてわかったが、僕にスイスから見える星空が綺麗な場所に連れて行ってくれたのだ。夜の10時ごろだったと思うが、山の中腹でしばらく空を見上げた後、夜中でも開いているカフェへと向かった。

荒川さんはリンドウのこともあってかテラスの席に座ろうとしたが、さすがに寒いせいもあり、僕が「ここでは煙草を吸いませんよ」と言ったので店内の席に座ることになった。

荒川宅に到着したのは既に夜中。明日帰る準備をして最後の就寝についた。

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